法政大学経済学部、市ヶ谷キャンパスに移転

法政大学

4月13日、法政大学の理事会で2030年を目途に経済学部を多摩キャンパスから市ケ谷キャンパスに移転させることが決定されました。

キャンパス再構築に係るお知らせ

法政大学_お知らせ(2024/04/10)

多摩キャンパスから市ケ谷キャンパスに移転の経緯

法政大学は2014年から、2030年の創立150周年を展望とする長期ビジョンの策定に取り組み、2016年に「長期ビジョン(HOSEI2030)」を公表しました。

そのなかでキャンパス再構築を重要課題の一つとし、多摩キャンパスの既存学部や教育研究組織の一定部分を市ケ谷キャンパスないしその近隣に集約することにしています。

経済学部は2019年に市ケ谷キャンパスに移転させる候補学部になりその後も検討を重ねた結果、今回の決定に至りました。

経済学部が移転する多摩キャンパスは今よりも魅力あふれた学びの場とするためにその特性を生かして再構築するとし、特に自然に恵まれた立地のメリットを活かしてスポーツの拠点として展開されるとともに、フロントランナーとしての法政大学を表す先進的な教育・研究拠点として、再構築することを掲げています。

法政大学は今もスポーツは強いですが、昔ほどの勢いは無くなっている印象です。

スポーツの拠点とすることでこれまで以上にスポーツ研究や活動が盛んになると嬉しいです。

また、今年2024年4月には多摩キャンパスに「法政大学ソーシャル・イノベーションセンター」が開設されました。

法政大学多摩キャンパスに「法政大学ソーシャル・イノベーションセンター(略称SIC)」を開設

法政大学_お知らせ(2024/04/05)

経済学部が移転する前提としてあるのは、23区規制の2028年3月末失効です。

仮に23区規制が延長となった場合の対応は、それに関する今後の状況を踏まえながら別途検討するとしています。

23区規制については「23区規制とは」にてご確認いただけます。

法政大学ソーシャル・イノベーションセンター

「法政大学ソーシャル・イノベーションセンター」は多摩地域交流センターで取り組んできた、近隣地域における学生主体の多様な連携事業を中核とするコミュニティ・ベース、スチューデント・ベースの場として以下3つの取り組みを進めていくとしています。

大学における教育活動との接続を順次強化していくことで、地域・社会におけるソーシャル・イノベーションを立ち上げ、担える人材育成に積極的に取り組む

トライセクター(大学・地域・外部の営利および非営利団体)連携を強化し、学生・教職員が多様な主体とソーシャル・イノベーションを生み出し、社会課題を解決に導く事業を育成、支援

学内外から多様なゲストを招き、SICの事業を語り合う<CAFE>活動をはじめ、多様な公開イベントに積極的に取り組み、キャンパス内外に、さらに豊富な知見・情報・人のネットワークを創出

23区規制とは

23区規制は2018年10月に施行された「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律」の13条を指しておりその内容は、

「大学等の設置者又は大学等を設置しようとする者は、特定地域内(※)の大学等の学部等の学生の収容定員を増加させてはならない(10年間の時限措置)」とするものです。

(特定地域内とは東京23区のことを指します)

法律が制定された目的は「東京の大学の定員を増やせなくすることで、地方に残る学生を増やし地方創生を狙う」です。

ただ大きく以下の2点の理由から学生の学びと成長の機会を奪い、大学ひいては日本の国際競争力の低下につながるとの指摘もあります。

①都内大学への進学者は増加しているものの、その増加は東京と近隣3県からの進学者によるものであり、地方からの進学者は微減している

②高校生などは大学進学先を決める際に「学びたい学部・学科・コースがあること」を重視しており、

若者の学びのために必要なことは立地に関わらず学びたいと思える大学に通うこと(大学の定員を規制している状況では溢れた生徒は学べない)

私も大学受験の際は法学部法律学科がある大学しか受験していなかったので②の意見には納得させられます。

大学進学理由は人によって様々ですが、「○○の分野を学びたい」や「○○教授の授業を受けたい」、「○○監督のもとで学びたい」といった想いで進学する学生は多いと思います。

※上記の内容は東京都の政策企画局のページから引用しています。

東京23区の大学における定員抑制について

東京都_政策企画局

法政大学の経済学部が移転する経緯は10年間の規制措置が終わることに関連していますが、上記の内容から23区規制が延長される可能性は低いと個人的には考えています。

経済学部が市ヶ谷キャンパスに移転することで法政大学の人気が上がることは予想されますので(最近では中央大学の法学部が多摩キャンパスから茗荷谷キャンパス_文京区に移転して話題)、個人的には賛成の施策ですが、今後の動向に注目していきたいですね。

経済学部

・創設:1920年

・学科:経済学科、国際経済学科、現在ビジネス学科

・学部生の数:1学年約900名、学部全体で約3,700名 (2024年時点)

多摩キャンパス

・学部:経済学部、社会学部、現代福祉学部、スポーツ健康学部

・大学院:経済学研究科、社会学研究科 社会学専攻(社会学コース)、人間社会研究科、スポーツ健康学研究科

・研究所:大原社会問題研究所、スポーツ研究センター、日本統計研究所、比較経済研究所

・1984年:多摩キャンパス竣工

・1999年:多摩キャンパスに「EGG DOME」竣工。

・2000年:「現代福祉学部棟」竣工。

・2009年:「スポーツ健康学部棟」改修工事竣工。

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